医院選びで失敗しないポイント

「歯医者ならどこで矯正しても同じ」と思って始めたものの、
- 仕上がりがイメージと違った
- むしろ悪化した気がする
このような後悔をされる方も少なくありません。
その原因は、治療計画の立て方、使用する装置、治療環境、専門的な技術の熟練度、かみ合わせや骨格のバランス、歯の形・大きさ、欠損や過剰歯の有無など、さまざまです。
専門性はもちろん重要ですが、「治療環境」も見逃せないポイントです。
たとえば
- 担当医が変わることが多い
- 装置のトラブルにすぐ対応してもらえない
- 混雑で十分なコミュニケーションが取れない
こうした環境では、医師との信頼関係が築きにくく、長期にわたる治療に影響することもあります。
そこで今回は、矯正治療を始める前に知っておきたい「医院選びの6つのポイント」をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
矯正歯科医院選びに役立つポイント6選
矯正治療を専門とする歯科医院であるか
矯正治療に必要な検査を行っているか
治療計画や費用、支払い方法等の質問に丁寧に対応してくれるか
様々な症例に対し治療例が掲載されているか
矯正治療中のトラブルに対応してくれるか
矯正専門の歯科医院の場合、一般歯科との連携はとれているか
矯正治療を専門とする医院であるか
最近は、「〇〇歯科 矯正歯科 小児歯科」のように、複数の診療科目を掲げる歯科医院をよく見かけます。しかし、日本では専門的な知識や経験がなくても様々な診療科目を標榜することができます。
つまり、専門性がなくとも診療科目に「矯正歯科」と書いても問題ないということです。そのため看板やホームページの表記だけではどの程度の専門性を持っているのかを判断することは難しくなってしまいます。無論、矯正治療を含めた総合的な歯科クリニックもあります。
一方で、矯正治療を専門とする医院では、より専門的な知識と診断力・豊富な経験をもとに、個々の患者さんに合わせた治療計画を立てることができます。
専門性の有無を見極めるためには、医院のサイトで院長の経歴や、日本矯正歯科学会の認定医資格の有無など確認することをおすすめします。
矯正治療に必要な検査をきちんと行っているか
矯正治療を始めるには矯正治療特有の検査があり、その検査結果から治療計画を立てることになります。基本的な検査項目には次のようなものが挙げられます。
- 問診、主訴の確認
- 口腔内、正面・横顔の写真
- 歯型の採取
- レントゲン写真類
- 機能的な検査
- 筋機能、顎運動検査(保険適用の場合)
など
治療前後で頭部X線規格写真(セファログラム)を重ね合わせることで、治療の効果を客観的に確認できます。
ここで紹介するイラストの方は、中学生の時期に「非抜歯での矯正治療」を希望され、実際に非抜歯で治療を終えました。 しかし成人後、「口元の突出感が気になる」とのことで、再び矯正を希望されました。
再治療にあたっては詳細な検査を実施し、今回は抜歯を行った上で治療を進めました。その結果、上下の口唇が後退し、見た目・口元のバランスともにご本人も満足される結果となりました。
あなたに合った適切な治療計画を立てるためにも、しっかり検査を行う医院であるか、ぜひ確認してみてください。
治療計画や費用など、丁寧に説明してくれるか
検査・診断を終えると、治療計画の説明に入ります。治療内容や費用は、以下のような状況によって異なります。
- 乳歯がまじりあっている混合歯列期(多くは小学校時期)
- 永久歯が生えそろっている時期(活発な成長期かいわゆる身体の成長はほぼ終了している時期か、それ以降の時期)
- 再治療を希望する内容
- 上下のあごの歪みが過度にみられ顎霧の手術を要する症状
- 口蓋裂などの先天疾患を持った症状などの保険適用症例
矯正治療費は、各医院や医師の裁量によって幅があります。
また、治療計画の際に抜歯か非抜歯か判断しづらい場合は、すぐに治療を開始せず、定期観察を行うこともあります。これは「治療の開始は、患者さんが納得・決定した後に行う」という原則に基づいています。担当医が一方的に治療を開始することはありません。
初めての治療でも再治療でも、不安はつきものです。そのため治療開始前や治療中における担当医の丁寧な説明や、質問への真摯な対応はとても重要です。
▼ 治療計画通りに進まないケースについて
矯正治療を進める中で、当初の計画通りにいかないこともあります。
原因には、歯根が歯槽骨と癒着して動かなくなる「骨性癒着(アンキローシス)」や、成長期に予想以上の顎の発育が起こることで、過度な受け口や顎の非対称性が生じるケースがあります。これにより、治療期間が延びてしまうこともあります。
また、患者さん自身の転勤や転居、海外勤務、妊娠出産、留学、受験、装置の使用状況の欠如なども原因として挙げられることもあります。これらは治療に影響を与え、期間が延びる原因となることがあります。
様々な症例に対し、治療例が掲載されているか
矯正治療を検討する際、歯科医院のウェブサイトなどで、様々な症例が掲載されているのを見たことがあるかもしれません。実はこれらの症例は、皆さんが治療を受ける際にとても役立つ情報源となります。
例えば叢生(デコボコ)や上顎前突(出っ歯)など自分の歯並びと似た症例を見つけることで、治療後のイメージを具体的に描くことができます。また、多くの症例を掲載している歯科医院は、幅広い症例に対応できる経験と技術力があるということも汲み取れます。
治療中のトラブルに対応してくれるか
矯正治療中は、以下のようなトラブルが起こることがあります。
- 装置が外れてしまった
- 装置をなくした
- 処置の後に痛みが出た
- 歯につけた装置が内側の粘膜にすれてしまう
- 装置で歯磨きがしづらく虫歯が心配
このようなことは誰にでも起こりうるものです。
トラブルが発生した場合の迅速な対応は大切です。
クリニックにもよりますが、できるだけ早く来院して処置してくれるような状況であれば安心ですが、非常勤の先生が担当の場合には、その先生の治療日でしか対応ができないこともあります。こうした緊急時は一般歯科や大学病院などへ急患として診てもらうこともあります。
緊急時の対応も含めて患者さんにしっかり対応することが望まれます。
矯正専門の歯科医院の場合、一般歯科との連携は取れているか
矯正治療中は、装置の影響で歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。一般的に矯正歯科は歯の移動に伴い、それまで見えなかった虫歯などが見つかることがあります。その場合、矯正歯科では虫歯の治療を行わず、一般歯科に依頼して治療してもらうことになります。
そのため、患者さんには虫歯治療の依頼書をお渡しし、一般歯科での治療をお願いしています。多くの矯正歯科クリニックでは、こうした一般歯科との連携が整っています。提携する歯科医院が多ければ多いほど、患者さんの不安は軽減されるでしょう。
矯正治療をスムーズに進めるためには、一般歯科との連携はとても重要です。