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子供と大人の矯正治療の比較

子供の矯正と大人の矯正では、どんな違いがあるのでしょうか?
それぞれのメリット・デメリットをもとに、実際の治療をする上での特徴をご説明します。

【子供の矯正】成長期に矯正治療を行うメリット・デメリット

メリット

  • 顎の成長期に治療を行うことで、適切な顎の発育・機能を獲得する可能性が高まる。
  • 骨格性の受け口やの変形など、症状の悪化を防ぐ可能性が高まる。
  • 永久歯列期での治療(第2期治療以降)の内容を軽減できる可能性が高まる。
  • 非抜歯で治療できる可能性が高まる。

デメリット

  • 治療期間が長期化する可能性がある(第1期治療+第2期治療)。
  • 受験等もあり、矯正治療の一時的な中断があり得る。
  • 子供自らの意思ではないことが多いため、保護者の管理が必要になる。

【大人の矯正】成長が終わってから矯正治療を行うメリット・デメリット

メリット

  • 骨の成長が完了しているため、成長予測や歯の生えかわりといった不確定要素が無く、治療のゴールが明確で、予定通りに進みやすい。
  • 患者さんが矯正治療の必要性や歯が動く仕組みなどをしっかり理解しながら、主体性をもって治療を進めていくことができる。
  • 歯科矯正用アンカースクリュー(※)を併用することもできる。

デメリット

  • 顎の成長は見込めないため、歯の移動による治療となり、抜歯が必要になることが少なくない。
  • 口腔内の虫歯、補綴物(かぶせ物)、欠損歯、歯周病等の存在により、正中線のズレや左右の咬合機能に差を生じての終了となることが少なくない。
  • 転勤や転居等のため、転医を余儀なくされることがある。

※【 歯科矯正用アンカースクリューとは 】

矯正治療の歯の移動の固定源として利用することを目的に、歯槽骨あるいは顎骨に埋入・植立するミニインプラント。
成長期の子供には使用できないため、子どもの場合はヘッドギア等の装着が必要となる場合がある。

受け口・反対咬合の治療を例にした比較

代表的な反対咬合の治療を例にして、成長期の子供と、成長期を終えた成人期の治療の比較をご説明します。

※詳細は患者さんによって異なりますので、個別の治療内容についてはご相談ください。

【 ワイヤー矯正装置で歯の移動を行ったケース 】

  成長期の子供
子ども
成人期以降
大人
歯の移動
速度
移動しやすい 成長期に比べ遅い
歯の移動
範囲
成人期に比べ広い 成長期に比べ狭い
治療期間
の目安
2~3年 (第2期治療)
第1期治療を加えた場合は5~6年程度
2~3年
矯正以外の追加処置(虫歯・歯周病・かぶせ物など)や既に抜歯されている歯がある場合は、プラス数か月程度
症状・治療
の特徴
早期に治療を開始することで、上下顎骨の成長発育を適切にコントロールできる可能性は高く、抜歯の可能性を低めたり、成人期における顎変形症(矯正+顎の手術が必要な症例)への移行の可能性も低くなる。

また、第2期での治療内容の軽減も考えられる。
上下顎骨の成長はほぼ終了し、成長発育による症状の悪化は成長ホルモンの過分泌など特殊疾患の場合を除き考えにくいが、永久歯の本数が少なかったり、歯のかぶせ物、神経を除去された歯などが多くあると、変則的な抜歯処置や咬合関係となることが少なくなく、治療難易度が高まる場合がある。顎変形症では、顎の手術を併用した治療を行う場合もある。
口腔内の
健康状態
歯科衛生士などによる口腔ケアで、歯や歯肉の健康度の回復は一般的に早い。 自己流の口腔ケアを長期に渡り行っていることで、適切でない状態もある。 歯石や歯の汚れも多く見られる。

子供から大人まで矯正治療は矯正専門の歯科医院で

矯正治療は、子供から大人まで、その治療時期に合わせた考え方や適切な治療方法があります。
子供の場合は、かかりつけの小児歯科での矯正治療を勧められることも多いと思いますが、歯並び、口元の様相が気になったら、まずは矯正治療を専門とする歯科医院にご相談することをお勧めします。

矯正治療の開始時期について、また、子供から大人までそれぞれの矯正治療について、詳しくはこちらをご覧ください。

【一般的な矯正治療】

  • 治療内容:矯正装置をつけて歯を少しずつ動かし、歯並びや口元を整える治療
  • 治療期間及び回数:2年前後、月に1回程度の通院(保定期間は2年前後で3~4か月に1回の通院)
  • 治療費概算(自費):第1期治療 約55~65万円、第2期治療 約55~65万円(1期から2期へ移行の場合)
  • リスク・副作用:歯根吸収、変色、歯肉退縮、歯間鼓形空隙の開大(ブラックトライアングルの出現)、骨性癒着等