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子供の反対咬合(受け口)

お子さんの反対咬合(受け口・下顎前突)の場合、乳歯と永久歯が混在する小学生の時期から治療を開始することで、効果的な治療ができる場合があります。その例をご紹介します。

※お子さんの治療の開始時期の考え方については、こちらをご覧ください。
矯正治療の開始時期

9歳から治療を開始し非抜歯で終了

治療前(9歳)

反対咬合―治療前(正面)            反対咬合―治療前(右側)

治療後(14歳)

反対咬合―治療後(正面)            反対咬合―治療後(右側)

治療概要

【 主訴 】反対咬合、学校検診からの指摘、正中線の偏位

【 診断 】骨格性3級、下顎前突、前歯〜小臼歯にかけての反対咬合、正中線の偏位、上顎骨のわずかな劣成長データ、下顎骨の非対称性の発育等

【 計画 】非抜歯

【 装置 】第1期リンガルアーチ、セクショナルアーチ、上顎前方牽引装置、チンキャップ、一時保定装置(永久歯交換まで)  第2期スタンダードエッジワイズ(.018"×.025")、保定装置

【 動的治療期間 】30か月+保定約2年

【 通院回数 】月1回程度

【 リスク・副作用 】
成長期に下顎骨の過度の成長が出現する場合、抜歯や下顎骨骨切り等の顎変形症としての扱いになる可能性。歯根吸収、変色、歯肉退縮、骨性癒着等を説明

【 年齢 】9歳

【 治療費の目安 (自費) 】
 1,100,000円(税別)
 1)検査診断 40,000円(第2期移行時での検査を含む)
 2)装置(保定装置を含む) 第1期400,000円、第2期450,000円
 3)毎回の処置 5,000円

9歳の時に反対咬合(受け口)で相談に見えた患者さんです。
この方の症状は、反対咬合(受け口)が主たる問題のようにみえますが、上下顎骨の成長発育の不調和(上顎骨の劣成長+下顎骨の過成長)が大きな要因となり、結果として反対咬合が生じたものです。

小学生の時期は、身体の成長と同時に顎骨も発達する時期ですので、その時期に上下の顎骨の成長発育を適切な状態に誘導しながら治療を行うことで、有効な治療が行えます。
9歳で第1期治療を開始し、第2期治療を経て14歳で非抜歯で終了しました。反対咬合が改善され、上下の顎のバランスが整った綺麗な歯並びになりました。

このようなケースで、永久歯が生え揃い顎の成長が終わってから治療を開始した場合ですと、抜歯による治療や、顎の外科手術を併用した治療が必要になることも少なくありません。

(注)
第1期の混合歯列期の治療で反対咬合が改善されても、思春期を迎え身長が極端に伸びる頃、上下顎骨も大きく成長発育し、反対咬合が再度出現することがあります。
セカンドオピニオンで来院される患者さんが、「小学生の時、反対咬合を近所の先生に治してもらったが、中学生になったらまた反対咬合に後戻りしてしまった」と言われることがあります。しかし、新たな症状が出現した結果であり、「後戻り」とはいえません。担当医の説明力の不足があります。

治療経過詳細

第1期治療開始(9歳)

オトガイ帽装置
オトガイ帽装置

上顎骨の成長を促すことを目的として上顎前方牽引装置、その後下顎の成長を抑制するためオトガイ帽装置(チンキャップ)を使用しました。装置は自宅にいる時のみ使用し、就寝時にもつけて頂きます。

慣れるまでは少し大変かもしれませんが、反対咬合の上下顎のコントロールに有効な装置ですので、多くのお子さんに使用して頂いております。

第2期治療開始(12歳)

活発な思春期性の成長発育が一段落した頃、ブラケット装置を着ける第2期治療を開始しました。

骨の成長発育度の評価のための手骨X線写真
骨の成長発育度の評価
のための手骨X線写真

活発な顎骨(特に下顎骨)の成長時期には個人差があります。その時期の前に矯正治療を行っても、下顎の成長によって再度反対咬合になる場合がありますので、治療時期を慎重に見極める必要があります。
手指の骨の成長状態を調べて成長段階を確認し、第2期治療の開始時期を決めてゆきます。

治療終了(14歳)

子供の反対咬合(受け口)治療前

子供の反対咬合(受け口)治療終了時

上顎

下顎

  • 下顎骨の非対称性の発育を認めたため、終了時の上下正中線に僅かにズレが生じているが 咬合状態は良好。

レントゲン写真

レントゲン写真 治療前
治療前

レントゲン写真 治療後
治療後

上下顎骨の不調和が見られた状態から、上下顎骨の大きさのバランスがとれた状態に成長しています。