成人期反対咬合(受け口)

反対咬合には、矯正治療単独で治療できるケースと、顎の外科手術が必要なケースの2通りがあります。それぞれについてご紹介します。

矯正治療単独で治療したケース  顎の外科手術を併用したケース

【症例1】矯正単独による反対咬合の治療

治療前

反対咬合―治療前(正面)  反対咬合―治療前(左側)  反対咬合―治療前(右側)

治療後

反対咬合―治療後(正面)  反対咬合―治療後(左側)  反対咬合―治療後(右側)

治療概要

【 主訴 】 反対咬合、正中線の偏位、叢生、八重歯

【 診断 】 骨格性3級下顎前突、下顎骨の非対称性の成長、上下咬合平面の斜傾化、叢生、機能的下顎の前方誘導等

【 計画 】抜歯、必要に応じ第三大臼歯の抜歯(親知らずの歯)、保定

【 装置 】 スタンダードエッジワイズ(.018"×.025")、保定装置

【 動的治療期間 】 32か月+保定約2年

【 通院回数 】 月1回程度、保定期間5回通院

【 リスク・副作用 】
下顎骨の遅成長がみられるため上下前歯の歯軸傾斜角度は平均値を少しズレる、また下顎骨の非対称性の発育のため治療終了時の上下正中線のズレは残る。治療の長期化もある。歯根吸収、変色、歯肉退縮、歯間鼓形空隙の開大(ブラックトライアングルの出現)、骨性癒着等を説明

【 年齢 】 25歳

【 治療費の目安(自費) 】
 1,075,000円(税別)
 1)検査診断 40,000円
 2)装置(保定装置を含む) 850,000円
 3)毎回の処置 5,000円

 

【症例2】顎の外科手術を併用した反対咬合の治療(顎変形症:保険適用)

治療前

外科―治療前(正面)  外科―治療前(左側)  外科―治療前(右側)

治療後

外科―治療後(正面)  外科―治療後(左側)  外科―治療後(右側)

治療概要

【 主訴 】反対咬合、正中線のズレ、八重歯、顔のゆがみ、下唇のほん転、しゃべりにくさ等

【 診断 】骨格性3級、下顎骨遅成長と非対称性の発育、叢生、正中線の偏位、左側交叉咬合等を伴う顎変形症、顎の離断を要す

【 計画 】顎変形症の治療、下顎骨骨切り術、下顎左右第三大臼歯の術前抜歯

【 装置 】スタンダードエッジワイズ(.018"×.025")、保定装置

【 動的治療期間 】32か月+保定約2年

【 通院回数 】月1回程度

【 リスク・副作用 】
下顎骨の左右の骨切り量は算出できるものの咬合に関係する筋肉群の長さ等の調整の手術はしないため、術後リラックスした時に下顎の位置が筋肉に左右され少し顔のゆがみが生じることがある。手術に伴うリスクは口腔外科医に質問するように伝える。変色、歯肉退縮、骨性癒着等を説明

【 年齢 】21歳

【 治療費の目安 】概算 保険点数に準じます

このようなケースでは、歯のみを移動させる矯正治療単独では十分な改善が見込めないため、顎の外科手術を併用した矯正治療を行います。「顎変形症」と診断されるので、保険が適用できます。 (保険が適用できるのは「指定医療機関」に限られますので、対象の方は事前に医院に問い合わせるとよいでしょう。当院は指定医療機関ですので、保険治療で対応します)

外科手術

【外科手術】
外科手術の前に約1年術前矯正を行い、手術は提携病院(主に大学等の公的医療施設)で約2週間入院して行いました。 その後、手術後の術後矯正を約1年半程度行いました。

口元の変化

外科―口元(治療前)

外科―口元

顎の歪みと反対咬合特有の顔立ちの改善がみられました。